事例紹介/事例09 病理診断の結果: ステージ1の膵臓がん

当事例の概要

膵体部にくびれ状萎縮、膵体部主膵管狭小化および上流主膵管拡張を認め早期膵臓がんの可能性を指摘した症例です。

病理結果

st1sN0M0

撮影内容

MRI(造影無)

所見

当院初回のMRIです。
膵体部にくびれ状萎縮と主膵管狭小化を認めます。上流の主膵管が拡張しています。慢性膵炎の他、膵がんによる所見の可能性もあります。(図1-2)
膵内に5mmまでの嚢胞、分枝拡張が多発しています。貯留嚢胞、分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)などの混在が疑われます。(図2)

肝実質の信号はT1WI opposed phaseにおいてin phaseよりも低信号を示し、脂肪肝が示唆されます。(図3)
肝、両腎に嚢胞を認めます。(図4)
副腎、脾臓に異常所見を認めません。
結腸憩室を認めます。
上腹部にリンパ節腫大、腹水貯留を認めません。

診断

膵体部くびれ状萎縮と主膵管狭小化、上流の主膵管拡張:慢性膵炎の他、膵がんによる所見の可能性もあります。(図1-2)
多発膵嚢胞:貯留嚢胞、分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)などの混在が疑われます。(図2)

脂肪肝。(図3)
肝、両腎の嚢胞。(図4)
結腸憩室