事例紹介/事例20 病理診断の結果: ステージ0の膵臓がん

当事例の概要

海外在住の方、本国の造影CTにて、膵管拡張3.5mm、膵鉤部に1.3×1.4cmm大の分枝型IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)の可能性を指摘され、当科を受診されました。
当院のMRCP検査では、主膵管自体の拡張として主膵管型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)疑いと診断、転院先で施行された膵液連続細胞診にてmucinous adenocarcinomaが検出され、手術方針となった症例です。

術後病理結果

Ph,TS1(10mm), duct - ectatic type ,IPMC, intestinal type, non-invasive, ly0, v0, ne0, pmpd0, pTis, CH0, DU0, pS0, pRP0, pPV0, pA0, pPL0, p000, pPCM0, pBCM0, pDPM0, pR0, pN0 [0/24:#8p(0/2), #13a(0/2), #13b(0/6), #14p(0/3), #14d(0/2), #17a(0/5), #17b(0/4)],cM0 pStage0

撮影内容

3.0テスラMRI MRCP (造影無)

所見

2023/2/1CTも参照

主膵管拡張が頭部でみられ周囲に分枝膵管拡張も疑われます(図 1)。サイズは12mm程度。充実性部分は指摘できませんが、主膵管自体の拡張にみえるので主膵管型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)が画像上考えられます。そのほか尾側の主膵管拡張も軽度みられます。
膵体部にDWI高信号域がみられますが造影CTで該当病変無し。アーチファクト疑われます(図 2)
形態は年齢不相応な軽度辺縁凹凸を認めます。(図 3)

肝嚢胞あり(図 6)。軽度脂肪肝。(図 4)
胆嚢に5mmポリープ疑われます(図 5)
脾臓・副腎に明らかな異常所見を指摘できません。
水腎はありません。
消化管に粗大な腫瘤性病変を指摘できません。
病的腹水貯留は指摘できません。腹部に病的なリンパ節腫大を指摘できません。

診断

主膵管拡張が頭部でみられ周囲に分枝膵管拡張も疑われます(図 1)。サイズは12mm程度。充実性部分は指摘できませんが、主膵管自体の拡張にみえるので主膵管型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)が画像上考えられます。そのほか尾側の主膵管拡張も軽度みられます。形態は年齢不相応な軽度辺縁凹凸を認めます。(図 3)
肝嚢胞あり(図 6)。軽度脂肪肝。(図 4)
胆嚢に5mmポリープ疑われます(図 5)