事例紹介/事例22 病理診断の結果: ステージ0の膵臓がん

当事例の概要

糖尿病発症から13年、腹部エコー検査で膵管拡張を認め、当院にてMRCP精査。主膵管、副膵管が10mmに拡張、分枝拡張も散見、膵頭部に18mm、7mmの多房性嚢胞をに留め、混合型膵管内乳頭粘液腫瘍疑いと診断され、手術施行された症例です。

術後病理結果

pTisN0
Pancreas,pancreatoduodenectomy:
-Intraductal papillary mucinous neoplasm,oncocytic-type(IPMN/IPON),high-grade,non-invasive-High-grade PanIN(PanIN-3)
Duodenum and extrahepatic bile duct,pancreatoduodenectomy:
-No significant change
Lymph node,dissection:
-Negative for lymph node metastasis

撮影内容

3.0テスラMRI MRCP (造影無)

所見

膵実質は軽度萎縮しています。(図1)
主膵管、副膵管が最大10mmに拡張しています。分枝拡張も多数見られます。(図2)
膵頭部に18mm、7mmの多房性嚢胞を認めます。明らかな壁在結節はありません。(図2-3)
膵内にDWI高信号域を認めません。(図4)

肝に小嚢胞/胆管周囲嚢胞を認めます。脂肪肝はありません。
胆嚢に腫大、壁肥厚、結石を認めません。胆管の拡張、結石を認めません。
両腎嚢胞を認めます。
副腎、脾臓に異常所見を認めません。
消化管に粗大病変を認めません。
上腹部にリンパ節腫大、腹水貯留を認めません。

診断

膵管拡張+多房性嚢胞:混合型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)疑い。(図2-3)
主膵管径は10mmでhigh-risk stigmataに相当します。