事例紹介/事例24 病理診断の結果: ステージ0の膵臓がん
当事例の概要
健診エコーで膵嚢胞(頭部23mm、壁・内部エコー所見なし)指摘され、当院の膵臓外来に受診された方の症例です。当院のMRCP精査にても、膵頭部に分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(20mmの多房性嚢胞)を認め、嚢胞内部の壁在結節が疑われ、悪性の可能性があるものとして、超音波内視鏡検査を推奨しています。
術後病理結果
TisN0M0 Stage0
撮影内容
MRI (造影無)
所見
当院初回の腹部MRIです。
膵実質の軽度萎縮を認めます。(図1)
膵頭部に20mmの多房性嚢胞を認めます。分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と思われます。嚢胞内部左側に6mmのT2WI低信号、DWI高信号があり、充実成分と思われます。(図2-4)
その他に膵内に微小嚢胞を数個認めます。(図2)
主膵管が3mmに軽度拡張しています。(図2)
膵に明らかな充実性腫瘤、拡散制限域を認めません。
肝、両腎に嚢胞を認めます。 胆嚢に腫大、結石、壁肥厚を認めません。胆管拡張、結石を認めません。 副腎、脾臓に異常所見を認めません。 消化管に粗大病変を認めません。 上腹部にリンパ節腫大、腹水貯留を認めません。
診断
膵頭部の分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN) 。(図2-4)
嚢胞内に充実成分がありそうです。EUSでも確認をおすすめします。