膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見に関するQ&A/ IPMNの予防的切除?
Q
IPMNを予防的に切除してしまうことは出来ないのでしょうか?
A
IPMNの予防的切除は、主膵管型のIPMNで主膵管に顕著な拡大が見られるものを除き、2021年現在、一般的には行われていません。
理由 01
IPMNがすべて膵臓がんになるわけではありません
IPMNのうち注意が必要なものは以下のようなものです。
膵嚢胞が3㎝以上になった場合
膵嚢胞が2年間で5㎜以上多くなった場合
膵炎または黄疸を併発した場合
壁肥厚、壁在結節が存在する場合
理由 02
膵臓は非常に重要な臓器であり、切除によりQOL(クオリティ オブ ライフ)が低下するため。
近年、膵臓がんが小さい場合には、膵臓の機能を残す手術方法が選択される場合がありますが、膵臓機能が100%残る保証はありません。予防的切除を行うことで膵臓の機能を失うリスクとIPMNのがん化のリスクとを天秤に掛け、一般的には予防的切除は行うべきではないと考えています。