膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見に関するQ&A/ IPMN、膵管拡張等の次回検査?
Q

膵嚢胞(IPMNを含む)、主膵管拡張、膵限局性萎縮などの経過観察は、どの程度の期間で行えば良いですか?

A
答え:推奨経過観察期間は膵臓がんの危険性が高いか、高くないかを基準に定められています。
膵臓がんの危険性が高い場合:6か月(注1)
特に膵臓がんの危険性が高い場合(注2)には別途EUS(超音波内視鏡)等の精密検査を推奨
膵臓がんの危険性が高くない場合:12か月~24か月
6か月の経過観察
初回経過観察時は、特に膵臓がんの危険性が低いと判断される場合を除き、6か月の経過観察が推奨されています。
特に膵臓がんの危険性が高い場合:以下のような場合です。
膵嚢胞(IPMN)が3㎝以上になった場合
膵嚢胞(IPMN)が2年間で5㎜以上多くなった場合
膵炎または黄疸を併発した場合
壁肥厚、壁在結節が存在する場合
5㎜以上の主膵管拡張
尾側膵萎縮を伴う主膵管狭窄
リンパ節腫大
CA19-9 高値
(内容)
IPMNに関する詳細は以下のページを参照してください。
https://www.m-satellite.jp/suizou_hp/checklist/suinouhou.html
主膵管拡張及び分枝膵管の拡張に関する詳細は以下のページを参照してください。
https://www.m-satellite.jp/suizou_hp/checklist/suikan-kakutyou.html

参考 )

膵臓がんがどのようなスピードで進行するのか。

膵臓がんは一般的に悪性度が高いとされており、がんの進行速度が早いといわれます。しかし、どのような日数でどの程度進行するかということを研究した論文は非常に少なく、正確な進行速度はわかっていません。

以下の膵臓がんの経過は、当院ではない、ある病院で行われた腎臓がんフォローアップ症例です。検査の主目的が腎臓がんであったために、並列で発症していた膵臓がんが一定期間見逃されていました。膵臓がんの進行速度を示す、大変貴重なデータとなりましたので、この症例からわかることを以下にまとめました。

当院の診断体制をご紹介します
  • 経過観察で悪化しているか診断
    「MRI/CT等の画像検査で膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見」があります。 当該所見は膵臓がんの発症が近づくと悪化することがわかっていますので、経過観察時に行った検査画像を元にその差を診断することが非常に重要です。
  • スコアリングシート
    診断プロセスは画像診断報告書に記載されており、過去の診断書と見比べることで当該画像所見の推移がわかりますが、これをよりわかりやすくするため、膵臓スコアリングシートを作成しています。 膵臓がんを早期発見するための取組み
  • 全14病院の医師が診察
    膵臓疾患を専門とするAIC八重洲クリニック常勤医と14病院の膵臓外来(膵臓臨床医師)と結果説明外来(放射線科医師) を設置しています。 各医師が、当院にて診療を担当します。

    AIC八重洲クリニック(東京都日本橋)

    AIC八重洲クリニック①公益財団法人がん研究会 有明病院③東京女子医科大学病院⑥東邦大学医療センター大橋病院⑦順天堂大学医学部附属順天堂医院⑧聖路加国際病院⑨慶應義塾大学病院⑩東京医科大学病院⑪帝京大学医学部附属病院⑫東京科学大学病院(旧:東京医科歯科大学病院)⑬NTT東日本関東病院

    八重洲クリニック(東京都日本橋)

    ③東京女子医科大学病院④東京都立駒込病院⑤東京大学医学部附属病院

    AIC画像検査センター(茨城県つくば市)

    ❷筑波大学附属病院
  1. 膵臓がん-症状と早期発見- >
  2. 膵臓がんに向かう途上で確認されることの多い画像所見に関するQ&A >
  3. 膵嚢胞(IPMNを含む)、主膵管拡張、膵限局性萎縮などの経過観察は、どの程度の期間で行えば良いですか?
当サイト監修
Seishi Sawano, MD, PhD
澤野 誠志 放射線診断専門医
AIC八重洲クリニック 理事長 院長 / 
AIC画像検査センター 理事長
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