事例紹介/事例13 病理診断の結果: ステージ1の膵臓がん

当事例の概要

腹部造影MRI(事例14)の前に実施した上腹部エコー検査です。
膵体尾部の主膵管は8mmと拡張、体部で主膵管は途絶、同部に辺縁不整な低エコー腫瘤像(11×10×8mm)を認め早期膵臓がんの可能性を指摘しました。
腫瘤周囲、膵尾部に小嚢胞、膵頭部嚢胞(17×5mm)も認めた症例です。

病理結果

pT1b pN0 StageIA pR0

撮影内容

US(造影無)

所見

【腹部超音波検査】
膵体尾部主膵管は8mmと拡張、体部で主膵管は途絶し、同部に11x10x8mmの辺縁不整な低エコー腫瘤像を認めます。膵がんを疑います。前方・後方に明らかな膵がん浸潤は認められませんが、一部は尾側辺縁のギリギリまで認められます。周囲への明らかな脈管浸潤は認められません。膵がんとすればTS1,Ⅰ期~Ⅱ期を疑います。
・膵頭部にその長い嚢胞17x5mm、そのほか腫瘤周囲、膵尾部にも小嚢胞を数個認めます。

・肝は軽度の脂肪肝を認めます。明らかな肝転移は認めません。
・胆嚢底部には腺筋腫症を疑います。2mmの小ポリープも認めます。
・右傍腎盂嚢胞、左腎にも小嚢胞を認めます。
・脾・膀胱に明らかな異常を認めません。
・子宮・卵巣に明らかな腫大や腫瘤は認めません。
・傍大動脈リンパ節腫大を認めません。
・病的な腹水貯留は認めません。

診断

膵がん(体部がん)疑い
:周囲の明らかな脈管浸潤ないが、尾側辺縁は一部でギリギリTS1、Ⅰ期~Ⅱ期疑い

膵嚢胞散見
・明らかな肝転移は認めず。脂肪肝(軽度)
・胆嚢腺筋腫症疑い、胆嚢ポリープ
・腎嚢胞

当サイト監修
Seishi Sawano, MD, PhD
澤野 誠志 放射線診断専門医
AIC八重洲クリニック 理事長 院長 / 
AIC画像検査センター 理事長
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