造影剤の使用指針
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当クリニックで使用する造影剤についてのご案内です。
一部の症例のMRI検査、CT検査における造影剤の使用が診断能の向上に資することは明らかであり、MRI・CT検査においては、造影剤を使用した検査を以下の時間にて実施しています。 -
造影剤検査ご利用時間 月~土曜日:8:30~20:00 まで 注意事項 日曜・祝日は造影剤を使用した検査を行っていません。
目次
- 一部の症例のMRI検査、CT検査における造影剤の使用が診断能の向上に資することは明らかです。 現在利用できる経静脈性ヨード造影剤、ガドリニウム造影剤は安全性の高い薬剤ではありますが、一定の頻度で副作用が生じることが知られています。大部分の副作用は軽微で短時間に回復しますが、アナフィラキシーショックや造影剤腎症、腎性全身性硬化症といった生命予後に直結する重篤な副作用が発生しうることも事実です。
- 当クリニックでは被験者の安全が第一と考え「造影剤使用指針」を作成し実施することとなりました。 なお造影検査の実施に関し、当院常勤放射線科医の判断により、ご依頼された内容を変更する場合もございますので、ご了解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。この場合はその事情につき読影報告書に記載いたしますのでご参照いただければ幸いです。
- 日本医学放射線学会(JCR2002)、アメリカ放射線学会(ACR2008,ver6)、ヨーロッパ泌尿器放射線学会(EURS2012,ver8)のガイドラインを参照し作成しました。
- 造影剤の副作用歴 禁忌:前回副作用の程度を問わず禁忌です。 造影検査が必要な場合はCT→MRIあるいはMRI→CTに変更を考慮(ただし造影剤副作用の既往はそれだけですべての薬剤に対する潜在的過敏性があると考えられるので厳重な注意を要します)。
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気管支喘息 原則禁忌:
原則禁忌 : 成人発症の喘息は基本的に造影いたしません。( ただし小児期に喘息が治癒した成人は造影可能です。)
小児(未成年)の造影検査で喘息既往ありは造影不可
咳喘息について
必要な検査に絞り、「咳喘息と診断されている方で、喘鳴」「呼吸困難」など発作の既往がなく(問診で気管支喘息ではないと推定され)、本人が造影検査を希望している場合、リスクが少し高い可能性があること、副作用があり治療が必要であればすぐに対応することを説明し、造影検査を行う -
腎機能低下
eGFRが指標となる:CT,MRIとも30未満は禁忌
・CTは造影剤腎症、MRIは腎性全身性硬化症が問題となります。
・CT:糖尿病や腎炎などの基礎疾患とその程度を考慮しなければなりませんが、基本的な情報が不十分であることが多いので、eGFRが45-30ではヨード造影剤を適宜減量(可能であれば造影剤使用中止)、30未満はヨード造影剤は使用しないこととします。
・MRI:eGFR 30未満はGd製剤は使用しません。
・6ヶ月以内の腎機能検査(血清クレアチニン)をお願いします。
・70歳以上の方でクレアチニン値の記載がない場合は、当日、簡易検査にて測定いたします。 -
透析中
腎性全身性線維症の可能性があるのでGd製剤は禁忌
CTはOK
・造影検査が必要な場合はヨード造影剤(CT)を使用すること(透析しているのでOK)。 -
ヨード造影剤を使用した場合の血液透析をいつするか
透析スケジュールと造影剤投与を合わせる必要はない
・水分の過剰補給はしないよう注意 -
妊娠している方
基本的に使用不可
・どうしても使用しなければならない場合には適宜対応
・ヨード造影剤使用後、生後1週間以内に甲状腺機能をチェックが必要 -
授乳期
基本的に制限なし
・MRI:Gd製剤は制限なし
・ACRのガイドラインではヨード造影剤は母親が不安な場合のみ24時間授乳中断
現在まで母乳を介した乳児の副作用が報告されていないこと、母乳から移行する造影剤量は乳児自身の検査で使用する量の1%以下であることを説明し納得いただければ授乳を中断しない。 -
ビグアナイド系糖尿病薬
造影CTを希望する(eGFR60未満)の腎機能低下を有する方へ
原則、検査前2日間、検査後2日の計5日間、ビグアナイド系糖尿病薬の休薬をお願いしています。
・休薬が叶わず来院された場合も検査はキャンセルとなりません。 検査当日を含め、3日間の休薬指示を当院より行ないます。
・検査後、腎機能チェックをお願いいたします。
・腎機能低下を有する糖尿病患者にヨード造影剤を使用するとまれではありますが 乳酸アシドーシスを生じうる可能性があるとされています。 (予後不良で最近も死亡例の報告あり)
・腎機能に問題がなければ(eGFR60以上)内服OK -
褐色細胞腫の疑い
「造影CTは不可」「単純MRIに変更」
・ヨード造影剤の急速静注が契機となりクリーゼを発症した症例報告がある
・内分泌学的検査で褐色細胞腫が強く疑われている場合の第1選択はMRIとし、MRIが施行困難な場合は単純CTを行う -
重症筋無力症
・ヨード造影剤による重篤な副作用の報告があり、造影CTは施行しない
・胸腺腫の検索には単純MRIが推奨される
・胸膜腫瘍播種の評価には胸部単純CTも有用であり、病態に応じて追加する -
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- プリモビスト(ガドリニウム製剤):経静脈投与(バイエル薬品株式会社)
- ガドビスト(ガドリニウム製剤):経静脈投与(バイエル薬品株式会社)
- ボースデル(塩化マンガン四水和物):経口投与(協和醗酵工業株式会社)
- マグネスコープ(ガドリニウム製剤):経静脈投与(テルモ株式会社)
- 副作用について 0.1~5%未満で悪心・嘔吐などの軽度の副作用が見られます。 また、経口造影剤については上記の症状に加えて軟便、(5%)下痢、腹痛(0.1~5%未満)が起こる可能性があります。
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- イオパミロン(非イオン系ヨード造影剤):静脈注射(バイエル薬品株式会社)
- イオメロン(非イオン性ヨード造影剤):静脈注射(エーザイ株式会社)
- 副作用について 副作用 0.1~5%未満で悪心・嘔吐などの軽度の副作用が見られます。また, 0.1%未満でこれより重篤な副作用が見られることがあります。
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当クリニックで造影剤の検査を行う前に患者様に造影剤投与のリスクとメリットを十分説明し、同意書にご署名いただいております。
また、患者様が造影検査を拒否される場合は、「造影しない」についての同意書にご署名いただいております。(依頼元の先生にご連絡しております)
造影剤(MRI)
造影剤(CT)
(3)造影剤同意書について
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ビグアナイド系糖尿病用剤とヨード造影剤は、併用により乳酸アシドーシスをきたすことがあるため併用注意とされています。
原因は、ヨード造影剤の投与により一過性の腎機能低下をきたす可能性があり、その結果、ビグアナイド系糖尿病用剤の腎排泄が減少し血中濃度が上昇するためと考えられています。
そのため、ビグアナイド系糖尿病用剤の服用を中止し、検査後48時間してから再開することが望ましいとされています。
ビグアナイド系糖尿病用剤を使用している患者様の造影CT検査を依頼される場合は、あらかじめビグアナイド系糖尿病用剤の投与を一時的に(下記をご参照ください)中止する等の適切な処置をお願い致します。 -
- eGFR60未満では、検査前後の48時間の内服の中止と、検査後の腎機能チェックをお願いいたします。 造影CT検査のご依頼であっても、内服薬の内容が確認できない場合や投与中止等の処置がとられていない患者様においては、造影検査を見合わせることもございますのでご了承下さい。
- ご質問がありましたらお気軽にご相談ください。
ビグアナイド系糖尿病用剤の服用中止について
腎機能(eGFR) 造影CT検査前 造影CT検査後 eGFR 60以上 制限無し 制限無し eGFR 60未満 検査前48時間、服用中止 ※検査後48時間、服用中止 ビグアナイド系糖尿病用剤一覧
一般名 商品名 規格 メーカー 塩酸ブホルミン 塩酸ブホルミン錠「ミタ」 50mg1錠 東洋ファルマー ジベトスB錠 50mg1錠 ガレン ジベトンS錠(腸溶錠) 50mg1錠 寿製薬/ゼリア 塩酸メトホルミン グリコラン錠 250mg1錠 日本新薬 メルビン錠 250mg1錠 住友製薬 メデット錠 250mg1錠 トーアエイヨー/山之内 ネルビス錠 250mg1錠 三和科学研究所 メタクト配合錠LD
メタクト配合錠HD500mg1錠 武田薬品 メトグルコ錠 250mg1錠 大日本住友製薬 メトホルミン塩酸塩錠
250mg「トーワ」250mg1錠 東和薬品 メトリオン錠250 250mg1錠 大洋薬品工業 ご連絡先 0120-786-055 受付時間 平日 8:40~21:00、日・祝 8:40~18:00
造影剤の使用指針
当クリニックの造影剤使用指針について(2015/05/11 Ver1.6)
使用する造影剤
ヨード造影剤との併用注意の薬剤について(2005/07/28)
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AIC八重洲クリニック
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