3テスラMRIと1.5テスラMRIの違いと利用方法
- 3テスラMRIは1.5テスラMRIに比べて信号雑音比が2倍向上しています。当院では、小さな病変を見つけるために撮影スライス層を薄くしていますが、全般的にザラザラとしたノイズが非常に少なく、3テスラMRIは1.5テスラMRIと比べて診断能が格段に上がっています。(一部部位を除きます。)
目次
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◎… 検査に最も適しています
◎… 検査に適しています
○… 検査に支障はありません
△… 検査が出来ないレベルではありません -
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検査部位 3.0テスラ 1.5テスラ 概要 頭部 ◎ ○ 3.0テスラMRIでは、脳血管の描出能力が大幅に向上し小さな動脈瘤や走行異常など血管病変の診断能が上がります。血管以外の撮像においても1.5テスラよりも鮮明な画像を撮影することが出来ます(1.5テスラでは見えなかった脳の解剖が見えます)。 頸部 ◎ ○ 3.0テスラMRIでは、脳梗塞の原因になる頚動脈プラーク病変がより鮮明に観察することが出来ます。 腹部 ◎ ◎ 動きのある臓器の為、息止めが困難な場合など1.5テスラが有利な場合がありますが、 呼吸に問題等のない場合 には、細かな情報が見える3.0テスラが有利になるため、 当院では原則として3.0テスラで撮影を行っています。 心臓 ◎
心筋評価◎
冠動脈評価原理的な理由により、呼吸や心臓の拍動の影響で動いている臓器を対象とする場合、1.5テスラMRIが有利です。
特に心臓検査では不整脈のある患者様が対象となる場合が多く、3テスラMRIでは診断可能な画像が得られないことがあり、 冠動脈を撮像する際には1.5テスラMRIが有利です(冠動脈CT検査は更に有利です)。心筋梗塞の精査は1.5テスラでも 3.0テスラMRIでも行うことが出来ますが、心筋症の精査(T1-Mapping)は3.0テスラMRIでしか行うことが出来ません。
(注意)動きがあるため、CTが有利となる可能性が高い部位です。 -
検査部位 3.0テスラ 1.5テスラ 概要 頚椎 ◎ ○ 3.0テスラMRIでは、頚椎症や頚髄腫瘍などの小さな病変を映し出すことができます。 腰椎 ◎ ○ 3.0テスラMRIでは、椎間板ヘルニアや脊椎分離症などの小さな病変を映し出すことができます。 肩 ◎ ○ 3.0テスラMRIでは、腱板損傷や炎症性の小さな病変を映し出すことができます。 膝 ◎ ○ 3.0テスラMRIでは、前十字靱帯や半月板、軟骨などの断裂に至る前の小さな損傷を映し出すことができます。MRI診断が軟骨再生医療の世界を大きく変えつつあります。 手・足・股関節 ◎ ○ 3.0テスラMRIでは、骨折や炎症性の小さな病変を映し出すことができます。 -
検査部位 3.0テスラ 1.5テスラ 概要 下肢血管 ◎ △ 3.0テスラMRIでは、造影剤を用いることなく、血管の閉塞や狭窄病変を末梢の細かい血管まで描出することが可能です。
(注意)静脈に関しては320列CTによる胸部から下肢までの広範囲撮影を推奨しています。 -
検査部位 3.0テスラ 1.5テスラ 概要 DWIBS - ◎ 原理的な理由により、呼吸や心臓の拍動の影響で動いている臓器を対象とする場合、1.5テスラMRIが有利です。
AIC八重洲クリニックでは、転移検索の目的でDWIBS検査を実施しています。 -
検査部位 3.0テスラ 1.5テスラ 概要 乳房 ◎ △ 3.0テスラMRIでは、両側の乳腺を同時に検査可能で、乳癌など非常に小さな病変の段階で見つけ出すことが可能となりました。 子宮・卵巣 ◎ ○ 3.0テスラMRIでは、子宮癌、卵巣癌、子宮腺筋症などの小さな病変を映し出すことができます。
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